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「ハチミツ」がない世界なんて…

達永 量仙

 

 大学入試に失敗し浪人した時期、勉強がはかどらない時に、良く「ハチミツ」をお湯で割って飲んでいた。一枚のスライスレモンを浮かべた「特製ハチミツレモン」、右脳を活性化させるには、効果てきめんだった。大事な模試の前日はもちろんの事、本番前にもこのドリンクで体調管理を行なった。結果は、当然、合格。また、社会人になってからも、ここ一番、重要な会議やプレゼンの前日には、決まってこの「特製ハチミツドリンク」で心を整えていた。気合いの入り具合によっては、ワンフィンガーのウィスキーを加えるスペシャル版も存在した。
 本当に良い習慣を会得したと心から思っている。今では、我が家の健康法として継承されている。子供達にも好評で、彼らの入試前や就職試験前にも、「特製ドリンク」が重宝した事は、言うまでもない。
 ふと、「蜂」にまつわる懐かしいエピソードが思い出される。僕が小学1年生の頃、集会所の裏手で、2級先輩の徳永君に、『おい、食べてみろ。』とその辺で取ってきた蜂の巣から引っ張り出した、「蜂の子」を生まれて初めて食べさせられた。意外だったのは、さっぱりしていて、見た目ほどの違和感はなかった事だ。2級も年長の徳永君の命令には、絶対服従だったので、意に反する選択肢は元からなかったが、僕はむしろ「蜂の子」が好きになった。今では、地方にある「道の駅」で見つけた時は、必ず購入するようにしている。認識としては健康食品だ。コロナ禍であろうと、「ミツバチ」との関係は、「密(ミツ)」なのだ。
 本題に移ろう。先日、テレビのドキュメンタリー番組で、取り上げられた内容には驚いた。「ニホンミツバチ」が、巣箱から一匹残らず逃亡した。しかも、原因が不明だというのだ。何という事であろうか?
 もし、「ニホンミツバチ」に限らず、「ミツバチ」全般、いなくなってしまったら?「ハチミツ」が、世界からなくなる日。本当にそんな日が到来したら、今までの常識すら覆るだろう。
 子供たちもよく知る「くまのプーさん」が、蜜壺に手を伸ばし、「ハチミツ」を盗み舐めようとしても、その中身は何と「麹みそ」である。蜜壺ではなく、「みそ壺」の登場である。絵本の物語としては、クール過ぎやしないか?
 我が家でも、おかしな事になる。もし、入試前の「特製ドリンク」の主役が、「ハチミツ」ではなく、「白みそ」だったら、それは、普通に「夜食」である!

 

(完)

 

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