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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

おばあちゃんの炊き込みご飯

ケロリン。

 

 長年、頑固な末端冷え性だった。どうにかして治したい一心で、漢方薬を服用する。体を温める物を食べる。冷たい物は口に入れない。など様々な対策を試みた。しかし、何を試しても一向に効果が出る事は無かった。
 そんな中、希望の光が見えた。祖母の家に遊びに行った時の出来事だ。『"蜂蜜と生姜入りの炊き込みご飯"を作ったから食べてみて。』と夜の食卓に上がったのである。今まで、生姜と白米の組み合わせは食べた事があったのだが、蜂蜜は無く、正直、味を想像する事が出来なくて合うのかなと不安な気持ちを抱いていた。
 そして食事の席に全員が揃い、「いただきます。」という挨拶の後、まず私は、恐る恐る、気になっていた炊き込みご飯を口に入れた。
 「!」
 お米がふっくらしていて、その上、弾力もあり、とても美味しい。蜂蜜の甘さと混ぜ合わされた結果、生姜本来のツンとくる辛さも柔らかくなっていて、非常に食べやすく、箸が進む。あっという間に空になり、祖母にお代わりをしても良いか尋ね、2杯目をよそった。普段、1日9杯近く食べる程の無類の白米好きなのだが、新境地を拓いた気分だ。結局、4杯も平らげていた。
 食後、久々に会えたからという事で、会えなかった時間を埋めるように沢山お喋りをしていたのだが、30分ぐらい経った頃だろうか。手足の指先にジンジンと血流を感じるくらい、温かくなってきた。今まで沢山食べても、飲んでも、カイロや腹巻きなどを身につけても、こんな事は無かったので、とても驚いた。
 祖母にその事を話したら、『近くの方から蜂蜜を頂いたんだけど、美容に良い栄養素が沢山入っているから、大好きな白米に入れたら喜ぶかな?って思って投入したんよ。あんたの冷え性にも効いて良かったわ〜。』とニコニコしながら言った。その時の祖母の顔いっぱいできた濃いしわが忘れられない。
 その時、祖母の家には3泊4日したのだが、毎食、蜂蜜と生姜入りの炊き込みご飯を作ってくれた。あの味が懐かしく、とても恋しい。心も体もポッカポカになれる祖母の家。色々落ち着いたら、また会いに行きたいなぁ。

 

(完)

 

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