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ミツバチと共に90年――

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蜂蜜エッセイ応募作品

庭にやってきたミツバチの大群

伊藤 冬美子

 

 あるとき、聴いたこともないようなブーンというものすごい音がするので庭を見ると、ミツバチの大群が押し寄せてきている。怖いくらいの数だ。杏の樹にとまり始めた。そしてしばらくするとミツバチがひとかたまりになって音も静かになった。
 職場の鈴木さんがよく話していたことを思い出した。福島で過ごした子供のころ、おとうさんがミツバチを飼っていた、と。朝、ミツバチの巣からはちみつを採るのが鈴木さんの役目だったという。
 自分も飼えるかなぁ…とインターネットでミツバチについて調べた。さぞおいしいはちみつが食べられるだろう……とワクワクしながら床についた。
 翌朝、杏の樹を見ると、ミツバチの塊はあとかたもなかった。どこかへ飛び去っていってしまったようだ。この話を鈴木さんにしたら、ハチは攻撃しないとわかるとおとなしいもんで、手袋をした手でそーっと塊ごとどんなのでもよいから箱に入れるとよかったんだよ、そうすれば自然にハチの巣を作るから……と教えてくれた。
 おいしいはちみつは逃してしまったけれど、我が家にものすごい音でミツバチがやって来た、ということは、ちょっとした語り草になった。
 あのミツバチの群れは、もっとよい環境のところへ引っ越す途中だったのだろう。どこかの山で、よい飼い主に出会ったであろうことを今でもときどき想う。

 

(完)

 

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