そのようにして採れた蜂蜜の特徴です。
「また山間に養うものは、村里のものにこれをば量重くして、色もまた濃く、冬月は凝固す。」
野生のものと比較していますね。
やはり昔も野生のものの方が珍重されていたようですね。
また冬は凝固とは結晶する性質があると言っています。
本物の蜂蜜は昔も今も結晶しやすいのですね。
「さてその渣滓(さし)は、布の袋に入れて図の如く搾木す。
搾るときは、再び蜜を得るといえども、その蜜には蜂子や蜂巣等が混ざれば下品とて、これを「シボリミツ」という。
夏月に至りて酸味を生ず。」
蜜を搾った後の残りかすから、更に蜜を搾ろうというのです。
しかしそこには蜂の子や蜜ろうが混じってしまうので品質は低いと言っていますね。
しかし実際は、蜂の子の栄養素やローヤルゼリーやブロポリスも混じっていると考えられ、栄養素的にはかなり高いのではないでしょうか?
でも、夏になると酸味を生じるって?それって腐っているということやん!(笑)
搾りカスからなお搾り採った「シボリミツ」。
商品化できるかしらん?(笑)
まだまだ終わりません。
ここからが蜜ろうを作る作業になります。
「全く蜜を搾り取るころ、渣滓(さし)は再び布の袋に入れ、枠に繋ぎ、釜中に沈ませば湯の沸騰に従い、蝋分溶解して浮かぶを汲み取り、別の樽に冷定して後、鍋に入れて煮て溶解し、型に入れ凝固せしむ。
これを黄蝋という。」
やり方はおよそ当場と同じで、巣のカスをお湯で溶かして蜜ろうを採ります。
当場ではここまでしかやりませんが、実は更に白蝋というのがあって、その作り方まで書いてあることに驚きました!
「また、これを白蝋となすには、釜に入れ適宜の水を加え煮て溶解せしめ、板にて汲み出し竹箸にて撹擾しつつ、水桶の中に淋瀝(りんれき)、その時は片々小さな塊となる。
これを筵の上に移し日光にさらし、乾かし、転廻両三度なせば白蝋となるなり。
もし日光甚だ強ければ、時々水を吹きかけ、その溶解するを防ぐなり。
また雲州にては、石灰百匆を藁にて焚き、この灰を共に水7合を混ぜて布袋にてろ過して、この灰汁は黄蝋5斤を晒すべし。
この割をもって黄蝋と共に釜に入れ、湯を加え煮て溶解せしめ、桶に移し、暫し沈静せししこの後、水桶中に瀝し、箸にて撹擾をせば凝固す。
これを晒し箱に広げ、日光に乾を斬るの如く3、4度晒すなきは、清潔なる白蝋を得るなり。」
なるほど、なるほど、、、
今度時間があったらやってみよう!(笑)
そしていよいよ最後のまとめ部分になります。
「蜂蜜は安芸、周防、長門、日向、薩摩、筑前、石見、出雲、伊勢、紀伊、信濃、佐渡等、その他多し西南諸州より産出す。」
信濃も入っています。。。(V)
「その蜂を蓄養するの法に至っては、大抵相同じく、ただ踪蜜あるもの今出雲国吉村耨一郎、紀伊国菊池喜太郎の記すによりて、諸書に論説するものを参考してその概容を誌す。」
これで終わりです。
「教草 第24 蜂蜜一覧」、意外と面白かったです!(笑)
追記
原文は変体仮名および古い言い回しにて書かれているため、読み下せなかった部分は我流にて読んでいますので、間違いがあったらゴメンナサイ!