ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

記事一覧

むかし話「姨捨山」に出てくる蜂蜜

日本むかし話の「姨捨山」といえば、お年寄りの知恵で国が救われた物語ですネ。

むかし信濃の国に、年寄りが大嫌いな殿様がいて、七十歳を過ぎた者は「なんの役にも立たない」と言って、みな島流しにしていました。

更科(現千曲市周辺)に住む一人の百姓男の母親も、その年いよいよ七十になりましたが、あまりに忍びなく思った男は、母親を床下の穴倉に隠すことにしました。

それから間もなくのこと、信濃の国に攻め込もうとしている隣の国から、殿様のところに様々な無理難題が押し付けられます。
その難題を事もなく解決するのが床下に隠された老婆だったのです。

その難題のひとつを解決するのに蜂蜜が登場します。
それは―――、

曲がりくねった小さな穴があいている一つの玉があり、その玉に絹糸を通せというのです。
できなければ信濃を攻めほろぼすというのですから、現代の常識では無茶苦茶な話ですネ。(笑)

さて、困り果てた殿様は国中に触れを出し、この難題を解決できる者を探します。
その話を耳にした百姓の男は、床下の母親に聞きました。
すると、
「玉の片方の穴のまわりにたくさん蜂蜜をぬっておき、絹糸に蟻を一匹ゆわいつけて、別の穴から入れてやるのです。すると蟻は蜜の香りに誘われ、曲りくねった穴の道を通って、反対側の穴までたどり着くから」
と笑いながら教えてくれました。

男はすぐさま母親に教えられたことをそのまま殿様に伝え大手柄。

このようにいくつもの難題を解決してしまう信濃の国には、すごい知恵者がいると恐れた隣の国は、結局信濃に攻め込むことができませんでした。

殿様は喜んで「なんでも望みの褒美をやろう」と男に言いました。
すると彼はこう答えます。
「わたくしはお金も品物もいりません。そのかわり、どうか母の命をお助けください」
そうして長い人生を生きた人の知恵の価値を知った殿様は、以来、お年寄りを島流しにすることをやめたのでした。

長野県の千曲市には、この物語と同じ名の地名がありますが、物語との因果関係は諸説あって特定できるものではありません。
しかし現代にも通用する深イイ話です。(笑)

はちみつ家メニュー

Copyright (C) 2011- Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.